課長から残業を命じられ
はぁ今日で何度目か数え切れぬほど、溜息が漏れる。此処は会社近くの屋台、おでん屋だ。妻の誕生日、早く帰りご馳走にケーキを食べ、家族円満な夜を過ごす予定だった。
でも、課長から残業を命じられ、断ろうとすれば怒鳴られ・・・。結局終電は過ぎ、帰る手段皆無。家から会社通勤距離、電車で約2時間。
タクシーじゃ、凄い費用。当然、定期代は給料とは別で、他は負担無し。全くどうせよと。
「お困りですね、旦那」話を聞くのは暇そうな店主だけ。そりゃね。早く戻る予定が、朝帰り。約束反故じゃ、顔向け出来んよ。
離婚を切り出されたら、破産、破滅。「破産?何故です?」女房は勤め先で上司をしてる部長が父親。俺は婿入りした形。それも結構金持ち家庭。
俺は貧乏暮らしだったから、玉の輿。「ついてねぇですな。ま、そうゆう時はホラ!食いねぇ」嗚呼、食欲わかん。
妻だけでなく、上司・父親へ怒られる可能性も。